問題と正解
問題: 3人のバディチームの一員としてダイビングを行なっている際、チームの一人がはぐれてしまった場合には
正解: 3人すべてが事前に打ち合わせておいた再開手順に沿って行動する。
解説とまとめ
この問題は、「3人で構成されるバディチーム」が水中で行動中に一人がチームから離れてしまった場合、残る2人がどのように対応すべきかを問うものです。
ダイビングにおいて最も基本的なルールのひとつは「バディと一緒に行動する」ことですが、実際の海況や視界の変化、注意力の低下などによって、はぐれてしまうことは誰にでも起こり得るリスクです。
こうしたトラブル時にパニックにならず、安全に行動するための準備と判断力が、安全なダイビングには欠かせません。
3人のバディチームとは?
通常、ダイビングでは2人1組のバディシステムが基本ですが、状況によっては3人でチームを組むこともあります。この場合、それぞれが他の2人の位置や状態に気を配りながら行動します。
3人チームでのダイビングでは、視野の広さや安全性が向上する反面、チームがバラバラになりやすいリスクもあるため、より慎重な行動とコミュニケーションが求められます。
チームの一人がはぐれたときの正しい対応
この問題の正解は、**「3人すべてが事前に打ち合わせておいた再開手順に沿って行動する」**です。
水中では視界が悪くなることも多く、気付かぬうちにバディから離れてしまうことがあります。そんな時に重要なのが、事前の打ち合わせ=ダイブプランです。
再集合の手順を事前に決めておくことで、冷静に・迅速に・安全に再合流できる可能性が高まります。
具体的な再開手順の例
再集合のための行動は、通常、次のような流れになります:
1. その場で1分間探す
バディやチームメンバーの姿が見えなくなったら、その場を離れずに、ゆっくりと周囲を360度見渡しながら1分程度探すのが一般的な方法です。
2. 浮上する
探しても見つからない場合は、安全に浮上して水面で再会することがルールになっています。誰かが勝手に動き回ってしまうと、再会がより難しくなってしまうため、ここでも計画通りの行動が大切です。
3. 浮上後に合流を試みる
浮上してバディが見つかったら再集合し、ダイブを再開するか終了するかの判断をその場で行います。
なぜ事前の打ち合わせが重要なのか
はぐれてしまったときに正しい行動を取るためには、「打ち合わせ済みのルール」があることが前提です。
水中では言葉でのコミュニケーションができないため、いざという時に即座に共有されたルールに従うことが、混乱や二次的な事故の防止につながります。
事前に以下の点をしっかり話し合っておくようにしましょう:
- はぐれた時の合流方法
- 探索時間の目安(一般的には1分間)
- 探して見つからなかった場合の浮上タイミング
- 水面での再集合場所
このような**「ダイブ前のブリーフィング(事前打ち合わせ)」**が、万一の事態にも冷静に対応できる基盤になります。
はぐれを防ぐために心がけるべきこと
もちろん、はぐれてしまうこと自体を防ぐことも大切です。以下のような基本を意識しましょう:
- 常にバディの位置を確認する
視界に入る範囲で行動し、相手を見失わないようにします。 - 適切な距離感を保つ
あまり近すぎても危険ですが、離れすぎるとすぐに見失ってしまいます。2〜3m程度の距離が理想的です。 - コミュニケーションをこまめに取る
ハンドシグナルを使って、お互いの状態を頻繁に確認しましょう。 - 焦らない・急がない
水中での動きは、常にゆっくり・計画的にを心がけましょう。
まとめ
今回の問題「3人のバディチームの一員としてダイビングを行なっている際、チームの一人がはぐれてしまった場合には」の正解は、
**「3人すべてが事前に打ち合わせておいた再開手順に沿って行動する。」**です。
この行動には、次のような大切な意味があります:
- パニックや無駄な捜索を避ける
- 全員が共通のルールを持っていることで行動が統一される
- 速やかに再集合できる可能性が高まる
- 全員の安全が確保される
水中でのトラブルは、事前の準備とルールの共有によって多くが防げます。
3人バディチームでのダイビングでは、特にチーム全体の意識統一と連携が求められます。はぐれてしまっても慌てず、決めておいた手順に従うことが、安全で楽しいダイビングにつながります。
出典:PADI OPEN WATER DIVER MANUAL