緩やかな流れのある海での基本

目次

問題と正解

問題: 緩やかな流れのある場所でダイビングをします。このような場合、ダイビングをし始める時は
正解: 流れに向かって(逆らって)泳ぎ始める。


解説とまとめ

ダイビングを行う海には、しばしば「流れ」があります。特に流れが緩やかであっても、方向や強さによってはダイバーの移動に影響を及ぼすことがあります。今回の問題は、そんな緩やかな流れのある場所でのダイビングの始め方に関する基本的な知識を問うものです。

結論として、正解は「流れに向かって(逆らって)泳ぎ始める」です。これはダイバーにとって非常に重要な行動原則であり、安全かつ計画的なダイビングのための基本ルールとなります。


なぜ「流れに逆らって」泳ぎ始めるのが正解なのか?

ダイビングを開始する際に流れに向かって泳ぐ理由は、体力や空気(エア)の消費を計算した上で、安全なルートを確保するためです。

もし最初に流れに乗って進んでしまうと、一見楽に移動できるように感じられるかもしれません。しかし、戻る時には流れに逆らって泳ぐことになるため、思った以上に体力やエアを消費してしまう危険性があるのです。

このような状況下では、疲れてしまって戻れなくなったり、予想以上に早くエアを使い切ってしまう可能性もあります。その結果、水面でのトラブルや緊急浮上のリスクが高まってしまいます

そのため、元気な最初のうちに負荷の高い行動=流れに逆らって泳ぐように計画を立てておくことで、安全性が高まります。


流れを読むことの大切さ

海中の流れは、場所や時間帯、潮の満ち引きなどにより刻々と変化します。そのため、ダイビング前には必ず以下のような点を確認しておくことが大切です。

  • 潮の流れの方向と強さ
  • エントリーポイントとエグジットポイントの位置
  • 水中の目標物や目印の有無
  • バディやガイドとの行動計画のすり合わせ

とくに緩やかな流れであっても、長時間同じ方向に泳ぎ続けると疲労が蓄積することもあるため、油断は禁物です。


実際の行動例

流れのある場所でのダイビングの一般的な行動例を紹介します。

  1. エントリーポイントで流れの方向を確認
  2. 流れに逆らってコースをスタート
  3. エア残量と時間を確認しながら、折り返し地点を決定
  4. 帰りは流れに乗って楽に戻る

このように、往路に体力を使い、復路を楽にすることで、全体の安全性と快適さが格段に向上します。


ダイビング中の安全確保にもつながる

流れのある場所では、バディとはぐれたり、目標物を見失ったりするリスクもあります。そのため、流れに対する意識と対応力を高めておくことは、水中トラブルを回避するためにも非常に有効です。

また、ダイビング後半でエア残量が少なくなっている状態では、流れに逆らって泳ぐことが特に困難になります。最初に逆らって泳ぐという原則は、エア管理の観点から見ても理にかなっています。


まとめ

今回の問題「緩やかな流れのある場所でダイビングをします。このような場合、ダイビングをし始める時は」の正解は、

**「流れに向かって(逆らって)泳ぎ始める」**です。

この行動は、以下の理由で非常に重要です。

  • 最初に体力のあるうちに負荷の高い行動を行うことで、安全な帰路を確保できる。
  • 流れに乗って戻ることで、疲労やエアの消費を最小限に抑えられる。
  • 方向感覚やバディとの連携を保ちやすい。

ダイビングでは、「自然環境を読む力」も重要なスキルです。流れを理解し、賢く行動することで、より快適で安全な水中体験が可能になります。海の状況をよく観察し、正しい判断で潜水計画を立てましょう。

出典:PADI OPEN WATER DIVER MANUAL

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