目次
問題と正解
問題: 意識不明のダイバーを陸上やボートに引き上げた後、継続的に確認するべきことは何ですか?
正解: 呼吸と循環があるかどうか。
解説とまとめ
水中でトラブルが発生し、意識を失ってしまったダイバーを引き上げたとき。
救助したからといって「これで安心」と思ってしまうのは、大きな間違いです。
実はその後の継続的な観察と対応こそが、命を救うカギになります。
最優先は「生命の兆候」の確認
引き上げた直後にまず確認するべきは…
呼吸しているか? 心臓が動いているか?
つまり、「呼吸」と「循環(心拍)」です。
これらの兆候がなければ、すぐに一次救命処置(CPR)を開始する必要があります。
呼吸と循環の見方
呼吸の確認方法:
- 胸や腹部が上下しているか
- 口や鼻からの呼気を感じるか
- 肌の色に異常(チアノーゼなど)がないか
循環の確認方法:
- 首(頸動脈)や手首(橈骨動脈)で脈を確認
- 意識や体の反応があるか
- 手足の血色や体温などもヒントになる
呼吸・循環がある場合でも油断しない!
仮に呼吸と心拍があったとしても、常に状況が変化する可能性があります。
- 呼吸が浅くなる
- 呼吸が止まる
- 心拍が不安定になる
そのため、継続して観察を続けることが必要不可欠です。
呼吸・循環がない場合の対応
もし呼吸・循環が確認できない場合は、**即座に一次救命処置(CPR)**を開始。
- 心肺蘇生(胸骨圧迫と人工呼吸)を行う
- 周囲に救助を要請
- AED(自動体外式除細動器)がある場合は使用する
※CPRやAEDの使用については、ダイバーとして事前にしっかり訓練を受けておくことが望まれます。
まとめ
今回の問題「意識不明のダイバーを陸上やボートに引き上げた後、継続的に確認するべきことは何ですか?」の正解は、
呼吸と循環があるかどうか。
水中での救助の次に重要なのが、その後のモニタリングと対応力です。
状況は常に変化することを意識し、命を守るための観察を続けましょう。
これを機に、ぜひCPRや救急対応の知識も復習しておくと安心ですね。
出典:PADI OPEN WATER DIVER MANUAL