反復ダイビングでは、減圧不要限界時間が短くなる理由とは?

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問題と正解

問題: 反復ダイビングをするときには、同じ水深でも最初のダイビングよりも2回目のダイビングの方が減圧不要限界時間(ノンストップ時間)は短くなる。
正解: 正しい


解説とまとめ

スキューバダイビングでは、体内に蓄積される窒素の量が、安全な潜水時間のカギとなります。
特に、**1日に複数回潜る「反復ダイビング」**では、減圧不要限界時間(No Decompression Limit:NDL)に注意が必要です。


減圧不要限界時間(NDL)とは?

減圧不要限界時間とは、減圧停止(安全停止とは別)をせずに水面へ浮上できる最大の潜水時間を指します。
NDLを超えると、体内に蓄積された窒素が過剰になり、減圧症のリスクが高まるため、段階的に浮上して減圧を行わなければなりません。


反復ダイビングでNDLが短くなる理由

1回目のダイビング後、たとえ水面で休憩(表層休息)をとっていても、
体内にはまだ一定量の窒素が残っています。

そのため、2回目以降のダイビングでは、すでに「窒素がたまった状態」からスタートすることになります。
これが、NDLが短くなる理由です。

たとえば:

  • 10mに40分潜れるダイビングが1回目だとしたら
  • 同じ10mでも、2回目は30分以下に制限されることがある

このように、反復ダイビングでは「窒素の残留を考慮した減圧モデル」を使って潜水計画を立てる必要があります。


安全に反復ダイビングを行うために

反復ダイビングで重要なのは、以下のポイントを守ることです:

  • ダイブコンピュータを使用する(現在のNDLを常に把握)
  • 表層休息時間(サーフェス・インターバル)をしっかり取る
  • 深いダイビングを先に行い、浅いダイビングを後にする(DIVE TABLEの基本)
  • 安全停止を毎回実施する(特に反復では必須)

まとめ

今回の問題「反復ダイビングでは、NDLが短くなるか?」の答えは、

正しい

体内の残留窒素をしっかり意識することで、より安全に反復ダイビングを楽しむことができます。
常にダイブコンピュータやログブックでの記録を活用し、安全な潜水計画を立てましょう。


ダイビングは奥が深く、経験を積むほど安全管理の重要性を実感します。
反復ダイビングこそ、知識と計画の力が試されるタイミングです!

出典:PADI OPEN WATER DIVER MANUAL

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