ダイビング中の「浮上の手順」

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問題と正解

問題: 浮上の手順とは?
正解:

  1. 通常の浮上
  2. 予備の空気源を使った浮上
  3. 緊急スイミングアセント
  4. 緊急浮力浮上

解説とまとめ

水中では、常に安全に浮上できる準備をしておくことが大切です。
では、実際にトラブルが発生した場合、浮上の手順はどうなるのでしょうか?

正解は、以下の順番で優先順位を守って浮上方法を選ぶことです。


1. 通常の浮上(Normal Ascent)

まず最優先されるのは、通常の方法で浮上すること
つまり、エアに余裕があり、バディとも一緒に行動できている状態です。

  • ゆっくりと浮上
  • 安全停止を行う
  • 常に呼吸を続ける
  • BCDの空気を少しずつ抜いて中性浮力を保つ

これは、最も安全で理想的な浮上方法です。


2. 予備の空気源を使った浮上(Alternate Air Source Ascent)

もし自分のエアが足りなくなった場合は、バディの予備の空気源(オクトパスなど)を使って浮上します。

  • 合図でバディに空気が必要なことを知らせる
  • 予備の空気源を受け取って呼吸を継続
  • バディと一緒に、通常通りにゆっくり浮上

この方法は、バディが近くにいて助け合える状況で使います。


3. 緊急スイミングアセント(Emergency Swimming Ascent)

もしバディが近くにおらず、自分のタンクのエアも完全になくなってしまった場合、
呼吸をしながら、できるだけゆっくり自力で泳いで浮上します。

このときに重要なのは、

  • 決して息を止めないこと!
  • 呼気を出しながら浮上し続けること
  • 急浮上にならないようコントロールすること

スイミングアセントは、最後の手段の一つですが、正しく行えば安全に帰還できる方法です。


4. 緊急浮力浮上(Buoyant Emergency Ascent)

最終手段です。
もし泳ぐ体力が残っていない、あるいはすぐに浮上しないと危険な場合は、
BCDに空気を入れて強制的に浮上します。

  • 急浮上になるリスクが高いため、とても危険な方法です
  • 通常は使用しないが、命の危険がある時に限って選択する手段です

この方法を使う際は、浮上後すぐに他のダイバーや救助者の助けを求めることが前提です。


まとめ

今回の問題「浮上の手順とは?」の正解は、以下の通りです。

  1. 通常の浮上
  2. 予備の空気源を使った浮上
  3. 緊急スイミングアセント
  4. 緊急浮力浮上

大切なのは、冷静に判断し、最も安全な手順を優先して選ぶこと
普段からこの順序を覚えておき、トラブルの時に迷わないようにすることがダイバーの安全意識に直結します。


必要な場面で正しい行動ができるよう、ぜひ繰り返し復習しておきましょう。
浮上方法は「命を守る手段」です。

出典:PADI OPEN WATER DIVER MANUAL

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