減圧症はなぜ起こる?

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問題と正解

問題: 減圧症とは、生命をおびやかす可能性もある状態です。これは、血液と組織中の何が原因ですか?
正解: 窒素の気泡


解説とまとめ

ダイビングを安全に楽しむために、絶対に理解しておくべき知識のひとつが「減圧症(Decompression Sickness:DCS)」です。
この減圧症は、**血液や組織中にできた“窒素の気泡”**によって起こります。


減圧症って何?

水中では、周囲の圧力が高いため、吸い込んだ空気中の窒素が体内に多く溶け込む状態になります。
浮上する際、もし急激に圧力が下がると、体内に溶けていた窒素が気泡となって現れます。

この窒素の気泡が血管や神経、関節、臓器などを圧迫・障害することで、

  • 関節痛(ベンズ)
  • めまい、しびれ、麻痺
  • 意識障害
  • 最悪の場合、死亡

といった深刻な症状が出ることがあります。


なぜ「窒素の気泡」ができるの?

ポイントは以下の2つ:

  1. 窒素は使われない「不活性ガス」なので、体内にどんどん蓄積される
  2. 急に浮上すると、圧力が急激に下がり、溶けていた窒素が泡になって出てくる

これは、ちょうど炭酸飲料のふたを開けた時に気泡が一気に出るのと似た原理です。


減圧症を防ぐには?

減圧症は予防が何より大切です。以下のポイントを守りましょう:

  • ゆっくりと浮上する(毎分9〜10m以内)
  • 5m付近で3分間の安全停止を必ず行う
  • ダイブコンピュータの指示に従う
  • 無理な反復ダイビングや深いダイブを避ける
  • ダイビング後、飛行機には最低18〜24時間乗らない

まとめ

今回の問題「減圧症の原因は何か?」の答えは、

窒素の気泡

浮上の際に生じるこの気泡が、体に大きなダメージを与えます。
だからこそ、安全な浮上と適切なダイビング計画が何よりも重要です。


減圧症は、ダイバーなら誰でも起こす可能性があります。
知識と正しい行動が、命を守る最大の武器になるのです。

出典:PADI OPEN WATER DIVER MANUAL

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